夜間の仕事を探している方にとって、警備員の仕事は魅力的です。しかし、警備員の仕事内容や、なり方に悩む方も多いです。この記事では、警備員の種類や仕事内容、必要なスキルと資格、労働条件などを解説します。
記事を読めば、警備員の仕事が自分に向いているか判断でき、警備員になるための方法がわかります。警備員になるには、自分に合った警備員の種類を選び、必要な資格の取得が欠かせません。警備員のキャリアを築くための参考にしてください。
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警備員の種類と仕事内容
警備員は人々の安全を守り、社会の秩序の維持が主な仕事内容です。警備員の種類は主に、以下の5つが挙げられます。
- 施設警備(1号警備)
- 交通誘導警備(2号警備)
- 雑踏警備(2号警備)
- 貴重品運搬警備(3号警備)
- 身辺警備(4号警備)
施設警備(1号警備)
施設警備は、建物や施設の安全を守る重要な仕事です。主に建物の出入り口での来訪者の確認や案内、巡回による不審者や異常の早期発見などを行います。施設警備の仕事内容は以下のとおりです。
- 来訪者の確認や案内
- 巡回
- 監視システムの操作
- 緊急時の初期対応
- 鍵の管理や施錠確認
施設警備は、24時間体制で行われることが多いです。防災設備の点検や管理、日誌や報告書の作成なども仕事に含まれます。施設警備は身体的な負担が比較的少なく、誰でも始めやすい特徴があります。時間に余裕のある方や引きこもりの方、リハビリ中の方にもおすすめです。
給与は高くないため、お金に不安があるサラリーマンは副業の働き方を検討してください。施設に泊まり込むことが多いので、比較的男性向きの仕事です。
交通誘導警備(2号警備)
交通誘導警備は、工事現場や道路で車両や歩行者の安全を確保する仕事です。交通誘導警備の主な仕事内容は以下のとおりです。
- 旗や誘導灯を使って車両や歩行者を適切に誘導する
- 交通規制を実施する
- 迂回路の案内を行う
交通誘導警備の仕事環境は、屋外での長時間の立ち仕事が多く、天候に左右される特徴があります。夜間や休日の勤務も多い傾向にあります。交通誘導警備の仕事に求められることは、以下のとおりです。
- 交通法規や安全規則の知識
- 臨機応変な対応力
- 判断力
- 体力
- 集中力
- コミュニケーション能力
- 交通誘導警備2級
- 道路使用許可書の確認能力
- 事故や緊急時の対応
交通誘導警備は多くの人々や社会の安全を守る、やりがいのある仕事です。
雑踏警備(2号警備)
雑踏警備は、人が多く集まるイベントや祭り、コンサートなどで行われる警備業務です。群衆の安全を確保し、スムーズな進行をサポートします。主な業務内容は以下のとおりです。
- 群衆の整理と誘導
- 事故や混乱の防止
- 不審者の発見と対応
- 緊急時の避難誘導
- 会場内外の巡回
雑踏警備では、常に周囲の状況に気を配り、迅速かつ適切な判断が重要です。多くの人が集まる場所でのトラブルを未然に防いだり、来場者への案内や情報提供したりします。主催者や警察との連携も欠かせません。混雑状況の把握や報告、迷子の対応など、さまざまな場面で協力して対処する必要があります。
貴重品運搬警備(3号警備)
貴重品運搬警備は、現金や貴重品を安全に運搬する警備業務です。主に金融機関や大型商業施設の売上金輸送を担当します。高度な警備技術と経験が必要なため、専門的なトレーニングを受けた警備員が行います。貴重品運搬警備では、銃器の取り扱いや護身術の訓練を受けなければいけません。
輸送ルートや時間の管理、緊急時の対応をする必要があります。貴重品運搬警備は、機密保持が重要な業務のため、厳格な身元調査と信頼性の確認が行われます。24時間体制での勤務が多いので、体力と精神力が必要です。貴重品運搬警備は責任が重く、緊張感を持って臨む必要があります。
身辺警備(4号警備)
身辺警備は、要人や重要人物の安全を守る警備業務です。一般的な警備とは異なり、警護対象者の動きに合わせて行動し、常に周囲の状況を把握する必要があります。高度な警備技術と判断力が求められる点が特徴です。危険を事前に察知し回避する能力や緊急時の対応、護身術の習得が重要です。
身辺警備員には、機密保持や守秘義務の遵守が欠かせません。警護計画の立案や実行能力、警備業務検定の取得が必要です。緊張感のある業務で、警護対象者の安全を守る重要な役割があります。高度な技能と責任が求められるため、経験を積んだ警備員が担当します。
警備員に求められるスキル
警備員に求められるスキルは以下のとおりです。
- コミュニケーション能力
- 観察力と注意力
- 体力と健康管理能力
コミュニケーション能力
コミュニケーション能力は、警備員にとって重要なスキルです。警備員の仕事では、さまざまな場面で人とのやり取りが発生するので、適切な言葉遣いと丁寧な対応が欠かせません。コミュニケーション能力を必要とする場面の一例は以下のとおりです。
- 来訪者や施設利用者との対応
- チームメンバーとの情報共有
- 緊急時の報告や指示
状況に応じて臨機応変な対応が大切です。明確でわかりやすい説明や指示を行う能力も求められます。
観察力と注意力
観察力と注意力は、警備員にとって重要なスキルです。周囲の状況を把握し、異常や危険を素早く察知する能力が必要となるからです。人や車両の動きを正確に把握し、予測する能力も欠かせません。視覚以外の、音や匂いの変化にも敏感に反応する必要があります。
緊急時には冷静に状況を分析し、適切な判断をする能力も重要です。観察力と注意力を磨くことで、より効果的に警備業務を行えます。しかし、集中力の長時間の維持は困難です。適度な休憩を取りながら、集中力を維持する工夫をしましょう。
体力と健康管理能力
体力と健康管理能力は、警備員として働くうえで重要です。長時間の立ち仕事や夜勤に耐えられる体力が必要です。規則正しい生活習慣の維持や適度な運動習慣、十分な睡眠時間の確保などを意識的に行いましょう。ストレス管理能力も重要です。
トレーニングを継続して実施すると、体力を維持できます。ウォーキングやジョギングなど、無理のない範囲で体を動かす習慣をつけましょう。適切な健康管理を通じて、警備員の業務を遂行できる体力を維持できます。
警備員に必要な資格
警備員として働くうえで必要な資格は以下のとおりです。業務内容や求めるキャリアに応じて、資格の取得を検討しましょう。
- 警備業務検定
- 警備員指導教育責任者
- 機械警備業務管理者
警備業務検定
警備業務検定は、警備員の能力が身に付く国家資格です。検定に合格すると、警備業界での就職や昇進に有利です。警備業務検定には1級と2級があり、以下の4種類の検定が実施されています。
- 施設警備
- 交通誘導警備
- 雑踏警備
- 貴重品運搬警備
検定は実技試験と学科試験からなり、年に2回実施されます。2級は実務経験が不要なため、警備を未経験の方でもチャレンジしやすいです。合格すると、5年間有効の検定合格証が交付されます。更新講習を受けることで、5年間延長できます。警備業務検定は、警備員の質と地位の向上を目的にした資格です。
警備員指導教育責任者
警備員指導教育責任者は、警備員の質の向上と適正な業務遂行に欠かせない重要な資格です。警備業法にもとづく資格であり、警備員への指導や教育を行う責任者になれます。1~4号の警備業務ごとに必要であり、警備会社に1人以上の配置が義務付けられています。資格の取得には、講習と試験の合格が必要です。
講習は5日間程度で、筆記と実技の試験があります。受験資格は、警備業務の経験や学歴によって異なるので注意が必要です。資格の有効期間は5年間であり、更新には講習を受講する必要があります。警備員指導教育責任者の資格はキャリアアップや昇給につながる可能性があるため、キャリアを築きたい方におすすめの資格です。
機械警備業務管理者
機械警備業務管理者は、警備業法で定められた資格です。5年以上の機械警備業務経験と都道府県公安委員会が実施する講習を受講し、試験に合格する必要があります。機械警備業務管理者の主な役割は以下のとおりです。
- 機械警備システムの管理・運用
- 業務の計画立案と実施
- 警報への対応手順
- 警備員の教育訓練
- 顧客との連絡調整
機械警備業務管理者は、警備業務の品質管理と改善も実施します。個人情報や機密情報の管理も重要です。関係法令を遵守し、最新の動向を把握してください。機械警備業務の経験を積んだ後のキャリアアップを選択できます。資格の取得により、専門的な知識と経験を活かせるためおすすめです。
警備員の労働条件
働くうえで、労働条件の確認は重要です。警備員の勤務時間や給与、労働環境について解説します。
勤務時間とシフト
警備員の勤務時間とシフトは、24時間体制の交代勤務が一般的です。シフトは日勤や夜勤、宿直などさまざまです。12時間勤務や24時間勤務など、長時間のシフトもあります。休日の取り方もさまざまで、週休2日制や4週8休制など、職場によっても異なります。
施設や現場によって勤務時間帯が異なるので、自分のライフスタイルに合った勤務時間や勤務地を選択してください。
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給与と年収
警備員の平均年収は300万円前後であり、時給の場合は1,000〜1,500円程度が一般的です。警備員の給与に影響を与える要因は、以下のとおりです。
- 勤務形態
- 経験や資格
- 勤務先の規模
- 地域
夜勤や休日出勤では割増賃金があるので、給与が高い傾向にあります。大手企業では賞与や各種手当がある場合も多いです。宿直の場合は宿泊手当が加算されるので、収入を増やしたい方は検討してください。正社員よりもアルバイトやパートの方が時給は高い傾向です。
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正社員は長期間勤務すれば昇給や役職手当が付く可能性もあるため、将来的には収入の増加が期待できます。収入の増加には資格の取得が重要です。資格の取得は収入増加だけでなく、キャリアアップにもつながるので、挑戦してください。
労働環境と福利厚生
警備員の労働環境は以下のとおりです。
- シフト制や夜勤が多い
- 休憩時間が決まっている
- 夜勤では仮眠設備がある
- 制服や装備品が支給される
一般的な福利厚生は以下のとおりです。
- 社会保険完備
- 有給休暇制度
- 各種手当
- 研修制度や資格取得支援
施設警備の場合は、宿泊施設が使えたり食事補助を受けられたりする場合もあります。泊まり込みの宿直バイトをする方にとって、大きなメリットです。健康面でのサポートも充実しており、定期健康診断も受けられます。社員寮や保養所などの福利厚生施設の利用や、提携店舗で従業員割引制度がある可能性もあります。
警備員の仕事の魅力
警備員の仕事は、自分の都合に合わせてシフトを組める点や多くの人の安全を守れる点で魅力的です。
自分の都合に合わせてシフトを組める
警備員の仕事の魅力は、自分の都合に合わせてシフトを組めることです。多くの警備会社では、柔軟なシフト設定が可能なため、個人のライフスタイルに合わせた働き方ができます。勤務形態の一例は以下のとおりです。
- パートタイム・アルバイト
- 夜勤・休日勤務
- 短時間・週1日からの勤務
学生や主婦、副業を考えている方など、時間に制約のある方でも働きやすい環境が整っています。長期休暇や突発的な予定にも対応しやすい点も特徴の一つです。警備員の仕事は個人の都合に合わせてシフトを組めるので、さまざまな働き方を求める方にとって魅力的な職業です。
多くの人の安全を守れる
警備員の仕事は、多くの人の安全を守る重要な役割があります。施設や地域の安全を確保すれば、社会全体の秩序維持に貢献できます。警備員の仕事が安全に貢献できる点は以下のとおりです。
- 犯罪や事故の抑止
- 緊急時の対応
- 安心感の提供
- 災害時の避難誘導・救助
警備員の存在自体が不審者を抑制する効果があるため、テロや犯罪から重要施設や要人を守ることにもつながります。交通誘導警備では事故防止に貢献でき、イベント会場での雑踏警備では事故や混乱の防止に効果的です。高齢者や子どもなどの安全確保にも役立ちます。
警備員の仕事は多くの人の安全を守り、地域社会全体の安全性向上に寄与する、やりがいのある仕事です。
警備員になる方法
警備員になるためには、求人サイトの活用やハローワーク経由で応募する方法がおすすめです。求人情報の探し方と応募や面接のポイントを解説します。
求人情報の探し方
求人情報は、さまざまな方法で探せます。警備員の求人を探すうえで、おすすめの方法は以下のとおりです。
- Indeed
- ハローワーク
- マイナビバイト
- 警備会社の公式サイト
- 人材紹介会社
- 人材派遣会社
- 新聞
- 地域情報誌
- 知人や友人からの紹介
- SNSの活用
- 警備業界専門の求人サイト
- 警備業界のイベントや説明会
- 地域の掲示板や回覧板
さまざまな方法を組み合わせて使うことで、より多くの求人情報にアクセスできます。
応募と面接のポイント
応募と面接の際に注意すべきポイントは以下のとおりです。
- 履歴書と職務経歴書を丁寧に作成する
- 清潔感のある身だしなみを心がける
- 志望動機を明確にする
- コミュニケーション能力をアピールする
- 過去の経験や資格をアピールする
- 柔軟にシフト調整ができると伝える
- 責任感があることを伝える
ポイントを押さえることで、応募書類や面接の通過率を向上できます。
まとめ
警備員は、多くの人の安全を守ることが仕事です。さまざまな種類の警備業務には必要なスキルや資格があります。労働条件は勤務先によって異なりますが、自分の都合に合わせてシフトを組めるなど、柔軟な働き方が実現しやすいです。
警備員になるためには、適切な場所で求人情報を探し、応募と面接のポイントを押さえることが重要です。安全と安心を提供する警備員の仕事は、社会に貢献できるやりがいがあります。時間に余裕のある方や、収入を上げたい方などは、警備員の仕事に挑戦してください。
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